疲れている人ほど、運動したほうがいい理由

こんにちは!鍼灸師の水上謙です。

先日、患者さんからこんな質問をいただきました。

「疲れが抜けなくて、仕事にも支障が出ていました。睡眠不足も続いていて、体調不良も起こしやすかったんです。でも運動を始めたら、逆に体調を崩しにくくなりました。これはなぜですか?」

これはすごく大事な質問です。

普通に考えると、疲れているときに運動したら、もっと疲れそうですよね。

でも実際には、疲れている人ほど、適度な運動で体調が安定することがあります。

もちろん、倒れそうなほど疲れているときに無理して追い込め、という話ではありません。

今日お伝えしたいのは、疲れを根性で乗り越える話ではなく、体を回復しやすい状態に設計していく話です。

健康は気合いじゃない、設計だ。

まさにこの話です。

疲れが抜けない人に多いサイン

以前、「疲れやだるさは、副腎疲労かもしれません」という話をしました。

副腎疲労という言葉は、一般向けには分かりやすい表現ですが、医学的にはかなり慎重に扱う必要があります。

なのでここでは、強いストレスが続いて、体のリズムやホルモンバランス、自律神経の働きが乱れている状態、と考えてください。

たとえば、こんな症状はありませんか。

朝起きるのがつらい。

甘いものや、味の濃いもの、塩分の強いものを欲しくなる。

気分が落ち込みやすい。

エネルギーが足りない感じがする。

疲れが抜けない。

仕事中の集中力が続かない。

こういう状態が続いているとき、体は単に「疲れている」だけではなく、ストレスに対応するシステムそのものが乱れている可能性があります。

副腎とコルチゾールの話

副腎という臓器があります。

腎臓の上に乗っている、小さな三角形のような臓器です。

この副腎から出るホルモンのひとつに、コルチゾールがあります。

コルチゾールは、よく「ストレスホルモン」と呼ばれます。

ストレスがかかったときに、体を活動モードにするために必要なホルモンです。

つまり、コルチゾール自体が悪者というわけではありません。

問題は、ストレスが長く続いて、体がずっと緊張モードになってしまうことです。

人間の体は、ずっとアクセルを踏みっぱなしで走れるようにはできていません。

車だって、アクセルを踏み続けたら壊れます。

疲れを改善するための4つの基本

では、疲れが抜けない状態を改善するために、何をすればいいのか。

基本は4つです。

1. 十分な睡眠を取る

1つ目は、十分な睡眠です。

目安は7〜9時間。

睡眠時間が短いまま、サプリや健康法を足しても限界があります。

まずは睡眠です。

2. 適度な運動をする

2つ目は、適度な運動です。

目安は、週150分。

週5日なら、1日30分のウォーキングでも十分です。

いきなりハードな筋トレやランニングをする必要はありません。

むしろ、疲れ切っている人が最初から追い込みすぎると逆効果になることもあります。

まずは「少し息が上がるけど、会話はできる」くらいの強度でいいです。

3. バランスの取れた食事をする

3つ目は、バランスの取れた食事です。

よくPFCバランスと言います。

Pはプロテイン、つまりタンパク質。

Fはファット、脂質。

Cはカーボ、炭水化物です。

この3大栄養素はもちろん大事ですが、それだけでは足りません。

ビタミン、ミネラル、食物繊維も必要です。

つまり、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維。

このあたりを意識して、体を回復させる材料をちゃんと入れてあげることが大事です。

体は材料がないと修復できません。

4. 罪悪感のないストレス解消法を持つ

4つ目は、ストレス解消法を持つことです。

ここで大事なのは、罪悪感を感じないストレス解消法です。

たとえば、僕で言うとキャンプです。

自然の中に行く。

火を見る。

外で過ごす。

そういう時間は、かなり良いストレス解消になります。

運動でもいいです。

映画を見るのもいいです。

音楽に浸るのもいいです。

本を読むのもいいです。

散歩でもいいです。

大事なのは、終わったあとに自分を責めないことです。

ストレス解消のつもりでお酒を飲みすぎて、次の日に落ち込む。

タバコやギャンブルで一時的に気分を変えて、あとで罪悪感が出る。

そうなると、ストレス解消のはずが、また別のストレスになります。

これでは回復ではなく、ストレスの借金です。

なぜ運動すると体調が安定するのか

では、なぜ運動すると体調が安定するのか。

一番大きいのは、体力が上がるからです。

体力がないと、日常生活そのものがストレスになります。

通勤する。

仕事をする。

人と話す。

家事をする。

少し歩く。

これら全部が、体にとって負担になります。

でも体力が上がると、同じ日常でも疲れにくくなります。

たとえば、最大体力が100の人にとって、1日の仕事が60の負荷だとします。

これはかなり疲れます。

でも、運動によって最大体力が130になれば、同じ60の仕事でも負担感は下がります。

やっている仕事は同じでも、体の余裕が変わるんです。

つまり運動は、疲れを増やすものではなく、日常の負荷を軽く感じられる体を作るものです。

自律神経の振れ幅を作る

もうひとつ大事なのが、自律神経です。

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。

交感神経は、活動モードです。

車で言うとアクセルです。

副交感神経は、休息モードです。

車で言うとブレーキです。

疲れている人は、ずっと交感神経が高ぶっているように見えて、実は活動のメリハリが弱くなっていることがあります。

昼間にしっかり活動できていない。

体温もあまり上がらない。

心拍も大きく動かない。

すると夜になっても、うまく休息モードに切り替わりにくくなります。

アクセルも弱いし、ブレーキも効きにくい。

そんな状態です。

そこで、日中に適度な運動をする。

歩く。

軽く走る。

筋トレをする。

入浴で体温を上げる。

こうやって一度、体をしっかり活動モードに持っていくと、その後に副交感神経へ切り替わりやすくなります。

つまり、昼にちゃんと上げるから、夜にちゃんと下がる。

この振れ幅が大事です。

睡眠の質も、ただ布団に入れば上がるわけではありません。

日中の活動量、光の浴び方、体温の変化、ストレスの処理。

そういったもの全部が、夜の睡眠につながっています。

疲れている人ほど、まず軽く動く

疲れている人に必要なのは、もっと頑張ることではありません。

回復できる体のリズムを作ることです。

そのために、適度な運動はかなり有効です。

運動によって体力が上がる。

日常生活の負荷が軽くなる。

自律神経のメリハリがつく。

睡眠の質が上がりやすくなる。

ストレスも抜けやすくなる。

その結果、体調を崩しにくくなる。

だから、疲れている人ほど、運動したほうがいいんです。

ただし、最初から追い込まなくていいです。

まずは1日10分歩く。

慣れてきたら20分。

最終的に、週150分を目指す。

これくらいで十分です。

体調管理は、派手なことを一発やるより、地味なことを積み上げるほうが強いです。

まとめ

疲れが抜けないときは、ただ休めばいいとは限りません。

もちろん睡眠は大事です。

でも、日中にまったく動かないままだと、夜にうまく休めないこともあります。

大切なのは、体が回復しやすいリズムを作ることです。

睡眠を7〜9時間取る。

週150分を目安に動く。

食事で栄養を入れる。

罪悪感のないストレス解消法を持つ。

この4つを整えるだけで、体はかなり変わります。

疲れが抜けない人は、まず「休む」だけでなく、「回復できる体の設計」を見直してみてください。

健康は気合いじゃない、設計だ。

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